「安くて美味しければ、どこの産地の農産物でも別に…ね?」
現在、地産地消を誰かに勧めてこのように言われることは少なくなったかもしれません。
しかし、少し前(数年前)までは、私は知人・友人からこのように言われることが度々ありました。
その時は明確な回答ができませんでしたが、その後少し勉強して、この疑問にようやく回答できるようになりました。
「地産地消のメリットとは?」
本記事は「今さら聞きにくいけど、実はよく分かってません。」という、そこのあなたの為に書きました。
消費者にとってのメリット
1 : その日の朝に収穫された新鮮な野菜・果物
現在、私が暮らしている東京都三鷹市には、市民生活と融合する形で畑がまだ比較的多く残されています。
その畑で採れた野菜や果物等の農産物は、JAファーマーズマーケットや、畑に隣接する直売所で購入することができます。
JAファーマーズマーケットや直売所の魅力は、まずは、そこで販売されている農産物の新鮮さです。
その日の朝に収穫された野菜や果物が、その日の朝のうちに商品棚に並んでいます。
地場産だからこそ可能なことです。
都市部のスーパーの野菜コーナーに、その日の朝に収穫された野菜・果物が並ぶことは中々ありません。
あったとしたら、それは地場産の野菜・果物です。
生産地と販売する場所の距離がごく近いからこそ可能なのです。
そして、収獲したばかりの新鮮な野菜・果物はとにかく美味しいです。
この味を知ってしまうと、もう他所で野菜・果物を買おうと思わなくなります。
2 : 個性豊かな農産物
直売所では、他所ではあまり見ない、珍しい野菜・果物が販売されていることもあります。
都市農業の特徴の一つに「多品目少量生産」ということがあります。
地方と比較すると農地が狭いので、なるべく端境期(はざかいき)をつくらず、いつも何かしら収穫・販売できるよう、効率的な生産を追求する農家の方が多いのです。
なので、畑ごとの個性がとても豊かです。
↓ ファーマーズショップ根岸さんでは「スティックブロッコリー」を販売されているのですが、他所ではあまり見ません。
根岸さんに伺ったところ、スティックブロッコリーは収穫するのにとても手間がかかるそうです。
こんなに美味しくて、調理しやすいのに、生産者が少ないのはその為かもしれません。
私はこのスティックブロッコリーの大ファンなので、JAファーマーズマーケットで野菜を買った後に、ファーマーズショップ根岸にも立ち寄って買い足すことも度々あります。
それから、私はカレーをつくる頻度が高いのですが、煮崩れしにくい品種のジャガイモ「とうや」が生産されているのも嬉しいです。

↓ 冨澤ファームさんは、ノラボウ菜、寺島ナス、内藤カボチャ、伝統大蔵ダイコン、下山千歳白菜などの江戸東京野菜の生産に力を入れているのが特徴の一つの生産者です。
冨澤ファームさんが生産している野菜は学校給食でも使われていて、「地域の味」として親しまれています。

↓ こちらは吉野農園さんです。
キウイフルーツの棚の下でニワトリを平飼いにしています。
走り回るニワトリの糞がキウイフルーツを育てる土の肥料にもなっていて効率的です。
このニワトリたちが産んだ新鮮な卵が畑の隣の自販機で販売されています。

↓ 島田果樹園さんはミツバチを飼育していて、ハチミツを採取しています。
春、圃場に隣接する野川公園の桜が満開になる頃、島田果樹園さんのミツバチがその蜜を集めてきます。
そしてその後、島田果樹園さんが「桜のハチミツ」として直売所で販売するのですが、大人気で毎年すぐに売り切れてしまいます。
↓ ミツバチの巣箱が並んでいるところです。

↓ もっと近づいて見てみましょう。

↓ ブドウとキウイフルーツの実が少しずつ大きくなってきています。


3. : 生産者とのほっこり交流
JAファーマーズマーケットや畑に隣接する直売所で買い物をしたり、収穫体験に参加しているうちに、生産者と顔馴染みになっていくこともあるでしょう。
↓ 収穫体験に参加するのも楽しいです。

美味しいと思ったら、その感想や感謝の気持ちを伝えてみてください。
「また良いものをつくろう」とモチベーションを上げてくれることもあるそうです。
あるいは、生産者に美味しい料理の仕方を質問してみるのも楽しいかもしれません。
その地域に暮らす者として、地域の生産者を応援していくことが地域を活性化する力になり、回り回って自分自身の暮らしも豊かなものにしてくれます。
4. :【安心・安全】生産現場と生産者の顔が見える食材
どんな人が、どんな想いで、どんな現場で生産したのかが見える食材は安心・安全です。
5: 流通コストが安くなる
消費者だけでなく、生産者にとってのメリットでもあります。
また、長距離の輸送に使われる石油などが排出するCO²問題など、環境に与える影響のことを考えてもメリットになります。
次の記事では、地産地消がおすすめな理由を「食料自給率と食の安全、そして環境問題」という点からまとめていきます。