前回の記事で、私の笠間焼コレクションの一部を公開しましたが、シンプルに「見て!素敵でしょ!?」と皆さんに自慢したい気持ちが無かったとは言いませんが、それだけが理由ではありません。
今回の「金継ぎ」の記事に繋げたい、そして将来的には「地域間交流」にも繋げていけたら…という思いもあります。
笠間焼コレクターの葛藤
気に入っている器は眺めるだけでなく、やはり日常的に使って楽しみたいものです。
そして、日常的に使用していると、大切に扱っていても割れたり、欠けたり、ヒビが入ってしまったり…破損はつきものです。
↓ 一部が欠けてしまった私の愛器…

日々、愛器を楽しみながらも、心のどこかに「破損しないかな…」という微かな怯えも抱いています。
もし破損してしまったら…もう完全に元に戻すのは難しいかもしれません。
金継ぎ(きんつぎ)とは、割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分を漆で接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる日本の伝統的な修復技法のことです。
その歴史は長く、室町時代にまで遡ります。
戦国時代を生きた茶人たちもその美しさに魅了されていました。
参照 : ウィキペディア「金継ぎ」
金継ぎの魅力
金継ぎの魅力…それはまず「日常的に使うのだから、破損することだってあるよね。」と認めてくれる懐の深さです。
その上で、破損を元に戻そうとしたり、隠そうとするのではなく、風情・趣きにまで昇華しようという気概があります。
そして、最大の魅力は何といってもその美しさです。
金継ぎの美しさは、現在、海外からも高く評価されています。
↓ 金継ぎをテーマにした資生堂のCM
一部が欠けてしまった私の愛器…
以前から「金継ぎして修復したい」とは思っていたのですが、金継ぎ教室に通ったりするは大変そうだし、ネットで調べながら自己流でやって、さらに取り返しのつかないことになったりしたら…等とグズグズと考えていたら…見つけました!
私が暮らしている地域内で、それも何度か行ったことがある馴染みのある場所で「金継ぎワークショップを開催します」とのお知らせ。
しかも、参加費は500円!?
えーーっ、ありがとう!!
金継ぎのワークショップに参加してみた。
ワークショップに参加した人たち。まずはそれぞれの器を愛で合って…。
コロナ対策の為、室内でこのワークショップに参加できたのは5名限定でした。
先生を含めて6名です。

性別は男女半々、年齢層は幅広かったように思います。
共通点は「器が好きであること。そして、日常的に使っている内に破損してしまった器があること。」です。
私はほとんどの方達と初対面だったのですが、自己紹介もそこそこに、持ってきた器をそれぞれに愛で合い、すぐに会話がはずみました。
破損個所も愛で合う。
褒め合ったり、面白みを見出す対象は器そのものだけではありません。
むしろ、破損個所がメインの対象です。
「あら、その破損…金継ぎしたらさらに味わい深くなりそう。楽しみね。」と出来上がりを想像してみたり、
「どうしたらそんな割れ方しちゃうの?w」と笑い合ったり、コアな共通の話題がある相手とは打ち解けるのが早いです。
↓ 傷ついた器達が集まりました。

↓ 私の笠間焼(左)は兄弟分の益子焼(右)と思わぬ場所で会うことができて記念撮影。

補修作業は地味で時間がかかる…。
金継ぎの工程は、割れ、欠け、ヒビ…その破損状態によって異なります。
工程や方法が気になる方はネットで検索すると詳細に解説しているサイトや動画がたくさん出てきます。
なので、ここでは割愛しますが、修復作業そのものは地味ですし、時間もかかります。
まずは、破損部分を少し削ってから漆を塗って接着するのですが、この漆が乾くのに1週間ほどかかります。
↓ 欠けた部分に漆を塗って乾かしている器

↓ 破損部分(欠け)を金継ぎしたらこうなりました。

今回のワークショップは約2時間。
私の器も破損部分を漆で接着したところまでで終了時間になりました。
1週間後くらいに接着部が乾燥して固定したら…
あとは先生に教わったことを思い出したり、ネットで調べたりしながらチマチマと補修してみます。
金継ぎは失敗しても、何度でもやり直しがきくそうです。
それも素敵です。
終了後は庭で淹れたコーヒーを飲みながら…
庭ではガスコンロでコーヒーを淹れてくださっている方がいて、金継ぎの作業に疲れてしまった人や、今回のワークショップを外からちょっと覗いてみたいという人たちがふらりと立ち寄ったりしていました。
晴天の下、地域の方たちと談笑しながら飲んだ、淹れたてのコーヒーは格別でした。

↓ コーヒーを飲みながら談笑する人たち

えんがわ家って何?
今回の金継ぎワークショップを企画してくださったのは「えんがわ家」さんです。

「えんがわ家」とは…
赤ちゃんからお年寄りまで世代問わず誰もが気軽に立ち寄れる場所。
関わる人が想い想いに表現できる場所。
しがらみではなくつながりをつくる場所。
みんなでツクル みんながツドウ みんなをツナグ をコンセプトにしています。
築60年の一軒家を「住み開き型」のシェアハウスとして活用して、地域に開放しています。

今回のように「えんがわ家」さんが企画するイベントが行われる場合もありますし、何かをしたい人がイベントを企画・主催することもできます。
しばらくの間、コロナ禍の為にこうしたイベントも行われていませんでしたが、またこれから少しずつ再開していきたいそうです。
気になる方は「えんがわ家」のHPを見てみてください。
えんがわ家HP : engawaya.org/
こういう場所があるのは、この地域に暮らす者として幸せだなと改めて感じました。
金継ぎについて、
世界でも評価が高く、日本に習いに来ている番組をTVで見ました。
えんがわ家さんのコンセプト
見ました。
素晴らしい取り組みですね‼️
三鷹の巾の広さに感心します😄